女性政策をリードされる昭和女子大学・坂東眞理子総長から応援メッセージをいただきました!
「子育てを頼る」ことについてどう思われますか
古来の日本では、子育ては母親だけではなく、親類縁者含めた周囲が協力してやってきた。女性たちは家屋敷などの経済力を持ち、「弟が姉の子供の世話をする」こともあった。一般庶民においても、女性は貴重な労働力であり、農村や商家では、家事育児はお手伝いさんに助けてもらいながら、女性は仕事をしてきた。
「子育てのために自分を捨てる」という考え方は、1960年代に刷り込まれた一時的な考え方。「子育てを頼る」ことで、母親自身が幸福に生きることが、最終的には子どもにも良い影響をもたらす。
「お金を払って子どもを預けて自分時間を作る」ことに"うしろめたい"と感じるし、"自分が我慢すればいいや"とも思ってしまいます
自分のためにお金を使って時間を作ることは、全くうしろめたいことではない。
この30年間で女性にもたらされた感覚は、「女のデフレマインド」と言えるのではないか。節約して「お金を使わないのが美徳である」という感覚。サービスを使って自分の生活をより良くしたり、会合に出て人脈を広げてみることは、投資であり賢いお金の使い方。例えば会合に行けば、会費もかかるし交通費もかかる。だけどそこに行けば新しい出会いが得られる。しかし、「節約しよう」という考え方がとことん叩き込まれていて、私たちの教養の中からこうした賢いお金の使い方が欠けてしまっているような気がする。
「でも「子どもを預けて泣いてしまう」ことに罪悪感を感じることもあります
生後3カ月目くらいを過ぎれば、ずっと親子がベッタリいるよりも、いかにして子どもは子どもの世界を持ち人と接しながら成長していくか、ということが子どもにとって重要だと信じている。
自分自身の子育てを思い出すと、「子ども預けるのは可哀想だ」と言われたことは幾度もある。しかし、そうではない。親以外にも多くの人が関わり、育ててもらい、成長を気にかけてくれたことは素晴らしいことだった。
人間は「100%」ではない。自分がもっとしっかりしていれば、あるいは自分がもっと金銭的に余裕があれば、我が子を預けなくてもなんとかなるのではないか?と考えることもあるかもしれない。だが、何事も100%の環境にデザインすることは不可能である。
完璧ではない自分の状況に対し、 「本来はこうあるべきだ」と思いながらジタバタしながらも生きていくのが人生。そうした中で、自分が何かを「我慢」するよりも自分をエンパワーする方が良い。
「ちょこいく」への期待をお聞かせください
利用した人が「使って良かったな」と思える、一時保育を提供した保育所が「預かって良かったな」と思える姿に向かって欲しい。
子育てを母親だけ、あるいは家族だけで取組むのではなく、社会全体で応援する仕組みを作ろうというチャレンジを心から応援している。そうした世界を創るトリガーとなるサービスではないか。このサービスだけで、魔法の様に社会を変えていくのは難しいかもしれないが、理念に賛同してくれる保育所と協力して頑張って欲しい。
そして保育所と一言で言っても品質にはバラツキがある。品質を担保することで、このサービスを多くの人に認知してもらいたい。
子育て中の方にメッセージをお願いします
「子育て」とは、命を繋ぐリレーであり、ワクワクする仕事に参加できるということ。だからといって、走者の方たち(母親)が頑張りすぎないことも大事。母親自身が倒れてはいけない。時にはサービスや周囲に頼りながら、自分を大事にして欲しい。
坂東 眞理子(ばんどう・まりこ)氏
1969年東京大学卒、総理府(現内閣府)入省。内閣総理大臣官房婦人問題担当室専門官、在オーストラリア連邦ブリスベン日本国総領事、内閣府の初代男女共同参画局長などを経て、2007年に昭和女子大学長に就任。14年理事長、16年から国際連携本部長、ダイバーシティ推進機構長、総長を兼務。2003年には「ビジネスウィーク(米誌)」の「Stars of Asia」受賞。300万部のベストセラー「女性の品格」(PHP研究所)など、著書多数。1946年生まれ。富山県出身。
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