「子育ては1人でも大変なのに3人目なんて無理!」と感じる方も多いでしょう。しかし、実際に3人の子どもを育てている筆者としては、その苦労も大変さも、また特別な幸せもたくさん経験してきました。今回は、3人目の壁を乗り越えるための私のリアルな体験談と、子育てに関するサポートをご紹介します。
子ども3人世帯の割合は?
そもそも子どもを3人持つ世帯はどのくらいいるのか気になりますよね。厚生労働省の「国民生活基礎調査」のデータによりますと、子育て世帯のうち、子どもが1人は49.3%、2人は38.0%、3人以上は12.7%となっています。このデータからもわかるように、3人以上の子育ては少数派です。
(参考:子育て世帯、初の1000万割れ―厚労省・国民生活調査 : 子ども2人以上世帯が減少 | nippon.com)
2人目/3人目の壁とは?
“2人目/3人目の壁”とは、経済面・年齢・仕事との両立・体調・育児ストレスなどの理由により、2人目や3人目をためらうことを指します。その見えない壁があることにより、本来欲しい人数よりも実際は少ない人数になってしまうのです。
参考として“2人目の壁”の理由のアンケート結果があります。
1位は『経済的負担が大きくなるから』(85.1%)、次いで『年齢』が52.1%。その他に、『第1子の育児で手いっぱい』、『仕事上のきっかけ』、『健康上のきっかけ』など、仕事と育児の両立に悩む声や、ママの身体を心配する声もあります。
(参考:ふたりめ意識調査 | “2人目の壁”の“壁”って何? (1morebaby.jp))
【体験談】3人育児のリアル
現在、東京都在住で、6歳・3歳・0歳7ヶ月の男の子3人を育てています。私が3人の母になるまでの経緯と、そこで感じた壁の突破法についてお話しします。
初めから子ども3人は考えていなかった
私自身が2人姉妹ということもあり、“結婚したら子どもは2人欲しいな”と思っていました。そのため、学生の頃から“仕事と育児の両立ができる企業に勤めたいな”という軸をもって就職活動をしていました。
しかし1人目から不妊で、ママになれないかもと
結婚も仕事も順風満帆でしたが、なかなか子どもを授かることができませんでした。婦人科に行くと【不妊】と診断され、私はママになれないのかも…と深く落ち込みました。
子どもが欲しい私は仕事を少しセーブし、とにかく主治医の指示に従い不妊治療を開始しました。幸いなことに治療開始から約半年で第1子を授かることができました。
2人目は早めに不妊治療を開始
「兄弟は欲しいよね」と夫と話しており、第1子が不妊治療だったため早めに第2子の不妊治療を開始しました。第1子の不妊治療が辛かったこともあり、“〇歳差が理想・・なんて贅沢なことは言えない!何歳差でも良い、何月生まれでも良いから!”という思いで再び通院しました。
第2子の不妊治療は、上の子の育児もあるため通院時間に制限がありましたが、幸いにも第2子を授かることができました。この時は、“もう2人産めたし、もっと仕事も頑張っていこう”と思っていました。
3人目が欲しいと思ったきっかけ
2人育児に奮闘しながら時短勤務で平穏に暮らしていましたが、夫の転職のタイミングで引っ越しをしました。子どもたちの転園も決まり、新しい保育園に通ってみると…
なんと子どもが3人、4人いるご家庭ばかりだったのです。子ども3人のパパママが、大変ながらもにぎやかに過ごしている姿がキラキラして見え、“子ども3人もいいな”と思うようになりました。その後、3人目は自然妊娠で授かることができました。
3人育児に向け、キャリアの棚卸で経済面を克服する
我が家は共働きですが、私は時短勤務のため労働時間の減少に比例して基本給も減額となっています。しかし、3人育児は食費や学費も3倍になるため、経済面での工面は必須です。
そこで、以下のプランで克服しようと考えています。
●現在の職場なら、時短勤務からフルタイムへシフトする時期を早める
●自己研鑽やスキルアップして、お給料が上がる職へ転職する
私たち夫婦は、「経済的に厳しいから産まない」のではなく、「もう1人産むためにどう工面するか」という思考で、“3人目の壁”を乗り越えられたのだと思います。
実際に3人産んで、一番幸せだったエピソード
第3子を産んで1ヶ月が経とうとしてた頃、上2人を連れてキッザニアへ行きました。数々の職業体験をこなし、最後にキッザニア内のデパートでお買い物をした時の話しです。
キッザニアでは職業体験する時も、お客さんとして体験する時も、親はそのスペースに入れませんので、私はデパートの外で2人が出てくるのを待っていました。すると、買い物を終えた2人が出てきて、手にしていたのは1個の小さなアヒルのおもちゃでした。
長男(当時5歳)に、なぜそれを買ったのか聞くと、「僕と◯◯(次男)は持ってるけど、産まれた◯◯(三男)のはないから」と。自分の欲しい物ではなく、産まれた赤ちゃんへのプレゼントを買ってきたのです!3人目を産んだからこそ味わえた感動は私の宝物です。
3人育児で一番大変だと感じるのは?
赤ちゃんの首が座っていない時期や腰が座っていない時期に、夫なしで子ども3人とお風呂に入る時が一番大変だと感じています。
我が家は洗い場よりも浴槽が広いタイプなので、赤ちゃんを先に洗ってスイマーバを装着し、湯船に浮かせて待っててもらっています。その間にササっと上2人と自分を洗い、赤ちゃんと私が先に上がり、身体を拭いたら上2人が上がって着替えの手伝い・・という流れが定着していますが・・・それでも大変です(泣)
ぶっちゃけ、2人と3人は同じ?
3人目を妊娠する前は、「2人も3人も大変さは同じでしょ」と思っていました。しかし、実際に3人育児が始まってみると、正直、全然同じじゃないです(笑)
しかし、私が料理をしていると上2人が手伝ってくれたり、洗濯物を畳んでいると一緒に畳んでくれたり、長男はお風呂掃除もやってくれます。また、三男が泣いていると上2人がおもちゃを持ってきてくれたりするのでとても助かっています。そういう意味では少し楽に感じます。
3人育児中のパパに聞いた!
筆者の育児談はママ側の声なので、3人育児中のパパ3名にもお話を伺いました。
3人育児の大変なことは?
●習い事の送迎時、親だけでは手が足りない
●自宅や車はある程度の広さが必要になる
●旅行の際、5人泊まれる宿泊先を探すのが大変でお金もかかる
●単純に学費が3倍でお金がかかる
3人育児の嬉しいことは?
●上の子が下の子の面倒を見てくれる
●子ども同士の遊びは掛け合いが多くて楽しいし、お互いの成長を感じる
●3者3様の育児が楽しい
●3人目育児は親が慣れている分、色々と勝手がわかっている
3人目の経済的支援
パパたちの声にもあるように、経済面への不安は尽きません。そこで、3人目の子が受けられる経済的支援についてご紹介します。
3人目の保育料は無償!2人目無償の地域も
多くの自治体が、第3子の保育料は無償となっています。また、東京都、千葉県の市川市と市原市ではすでに第2子の保育料も無償化されています。大阪府大阪市では2024年9月から第2子の保育料無償化が始まるようです。
3人目の児童手当増額
2024年10月より、いよいよ児童手当の制度改正が行われます。今回の制度改正の大きなポイントは、“所得制限の撤廃”ではないでしょうか。共働きのため、これまで十分な児童手当をもらえなかったご家庭も支給対象となる朗報です。
また、第3子の児童手当は1万5千円から3万円に増額されます。支給期間も、これまで中学校卒業まででしたが、高校卒業までに引き延ばされます。
使える多子世帯向けサポート
パパたちの声にもあるように、多子世帯は何かと手が足りませんので、パパママのサポートとして様々なサービスに登録しておくと安心です。
ファミリーサポート
ファミリーサポートは、行政がおこなっている子育て支援の取り組みで、会員制となります。子育ての援助を受けたい「依頼会員」と援助をおこなう「提供会員」が、会員同士で育児をサポートします。
お勤めの企業の福利厚生には、「ファミリーサポート補助金」が使える福利厚生もありますので、一度確認してみてください。
ベビーシッター
ベビーシッターとは、保護者が不在のときに、保護者に代わって、乳幼児の世話をする人のことです。ベビーシッターは保育士・幼稚園教諭など子どもに関する資格をもつ人や、育児経験がある人、民間団体による認定資格をもつ人が担っています。
東京都では、2018年度からベビーシッター利用支援事業という取り組みをおこなっています。東京都認定のベビーシッター業者を利用すると、利用料金の一部が助成されます。お住まいの自治体を確認してみましょう。
一時保育
「一時保育」とは、就業の有無や預ける理由に関係なく、1日や時間単位で一時的に子どもを預けられるサービスです。預けられる年齢は施設によって異なり、生後2ヵ月程の0歳児から預かってくれるところもあれば、2歳児以上を対象としているところもあります。
東京都23区では、一時保育の検索から予約までをLINEで簡単にできる「ちょこいく」が便利です。気軽にLINE登録してみてください。
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まとめ
3人育児は確かに大変で、ママの身体や経済的負担を理由に次の妊娠をためらう気持ちもわかります。しかし、新たな命が加わることで家庭は一層にぎやかになり、子どもたち同士の関係も深まります。もし3人目を迷っているなら、ぜひこの記事を参考にし、前向きに検討してみてください。
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