現代の子育てにおいて、「習い事をさせるべきか、させないべきか?」は多くの親が抱える大きな悩みです。特に、少子化に伴い子ども一人にかかる教育費が増加し、習い事をさせることへのプレッシャーも高まっています。しかし、習い事をしない選択肢も決して悪くはありません。本記事では、習い事をさせた場合とさせなかった場合の経験談も含めて、習い事事情をまとめました。
習い事をさせるかどうか悩む原因
習い事をさせることへの期待と不安
幼少期の吸収力の高さから、多くの親がさまざまな経験をさせたいと考えます。しかし、「習い事をさせない」という選択肢も現実的であり、その理由は以下のようなものです。
⚫︎経済的な負担:習い事は月謝や初期費用がかかり、家計に影響を与えることも。
⚫︎時間の制約:共働きの家庭では、送り迎えや練習時間の確保が難しい場合があります。
⚫︎子どものへストレス:新しい環境やスケジュールが、逆に子どもに負担をかけてしまうことも。
【実体験】習い事をさせた場合とさせなかった場合の比較
私自身、年長(6歳)、年少(3歳)、0歳の三人の子どもを育てる中で、習い事をさせる子育てと習い事をさせない子育ての両方を経験してきました。それぞれの年齢での習い事がどのような影響を与えたのか、その具体的な例をご紹介します。
長男の習い事の経験
長男は4歳からバスケットボールを始め、その後サッカー、プログラミング、水泳にも挑戦しています。最初は友達に誘われて始めたバスケも、今では目標を立てて練習を続けています。習い事を通じて、社交性やチャレンジ精神が育まれ、成功体験から自信を持つようになりました。
習い事をしなかった時期の過ごし方
一方で、習い事をやってみたものの、途中で辞めた時期もあります。そんな時は、保育園での遊びを延長し、段ボールでの工作やお菓子作りなど、自由に遊ぶ時間がたくさんありました。この自由な時間は、子どもの創造力を育む大切なひとときでした。
習い事の成功と失敗談
継続できている習い事:水泳
5歳になると、息子は「月末のテストに合格するとランクアップする」という仕組みを理解し、目標に向かって自宅でもお風呂で練習するようになりました。観覧席から応援する私たち親に、コーチから学んだことを説明する力も自然と育っています。
期待外れだった習い事:幼児教室
水泳を始める少し前、息子が幼児教室に興味を持ったため体験に参加しました。しかし、ずっと座って受け答えする授業が楽しくなかったようで、すぐに「やめたい」と言いました。親として「考える力を伸ばしてほしい」という気持ちも強く、子どもには合わなかったのかもしれません。
習い事をさせるかどうかの判断ポイント
幼少期は、友達に誘われて習い事を始めることが多いです。しかし、友達がやめたり、休んでしまったりすると、子どものやる気も失われがちです。そのため、無理に習い事をさせない選択も、時には子どものためになることがあります。
習い事をさせるかさせないかを決める際は、以下の点をチェックしましょう。
- 通える時間や距離かどうか
- 子どもが楽しんでいるか
- 教室や先生の雰囲気が子どもに合っているか
共働き家庭での習い事の現実
共働き家庭では、時間的な余裕がなく、習い事をさせない家庭も多いです。我が家も共働きのため、夫が土日の習い事の送迎を担当しています。しかし、平日に行われるバスケの際はファミリーサポートを利用したこともあります。
それでも、息子から「ママにもバスケを見てほしい」と言われ、時々私も半休を取って見に行くことがありました。また、第3子の育休中に、水泳を始める機会も得ることができました。
【年齢別】子どもの習い事参加状況とトレンド
未就学児の習い事参加率
6歳以下の子どもを持つ1575人の保護者へのアンケート*1によると、5歳から6歳の子どもでは約58.2%が何かしらの習い事に通っています。一方で、26.1%の子どもは習い事に通っていません。つまり、習い事をしている子は6割弱、していない子も3割近くいる状況です。
3歳から4歳の子どもの場合、習い事に「通っている」子は33.9%、通っていない子は32.5%と、どちらもほぼ同じ割合です。さらに、0歳から2歳では「通っている」子が15.7%にとどまり、「通っていない」子が48.8%と、習い事をしている子はごく少数派です。
*1参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000013191.html
小学生の習い事参加率
「小学生白書」*2の調査では、小学生の約8割が何かしらの習い事をしている一方で、 22.9%の子どもは「学校以外での習い事をしていない」と回答しています。つまり、習い事をさせない子育てを選んでいる家庭も一定数存在していることが分かります。
*2参考:https://www.gakken.jp/kyouikusouken/whitepaper/202310/chapter7/01.html
男女別の習い事トレンド
6歳以下の子どもを持つ保護者を対象に行われたアンケート*1によると、男女共に人気のある習い事は、水泳、英会話教室、体操教室などが挙げられます。
女の子では、水泳に通っている子が16.0%、英会話教室が9.7%、音楽教室(ピアノ含む)が8.7%、体操教室が8.4%となっています。男の子では、水泳が18.0%、サッカーが10.4%、英会話教室が8.5%、体操教室が7.5%です。
*1参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000057.000013191.html
水泳が人気な理由とは?
習い事の中でも特に人気が高い水泳。現在通っている習い事についての4年間のデータ*3でも、水泳は不動の1位を占めています。その人気の理由として、いくつかのポイントが挙げられます。
まず第一に、体力作りができる点です。水泳は他のスポーツに比べて、全身運動でありながら、ケガのリスクが比較的少ないため、安心して続けられるスポーツです。水の中で行う運動は身体への負担が軽減されるので、子どもたちの運動機能を無理なく高めることができます。
次に、健康面でのメリットも水泳の魅力です。水泳は心肺機能を鍛えることができるため、持久力がつくだけでなく、喘息や気管支炎などの呼吸器系の問題を抱える子どもにとっても改善が期待できる運動とされています。
また、水難事故対策として水泳を習わせる親も多くいます。子どもが泳ぐ力を身につけることで、海やプールでの事故防止に繋がるだけでなく、親としても安心感を得られます。万が一の際にも、自分の身を守る術を学ぶことができます。
さらに、親の負担が少ないことも、習わせやすさの一因です。水泳の練習では、特別な洗濯物も少なく、親の負担が軽減されます。また、他のスポーツに比べて親が当番やサポート役を担う機会が少ないため、共働き家庭や多忙な家庭にとっては手軽に続けられるという魅力があります。
*3参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000191.000026954.html
習い事をさせることのメリットとデメリット
メリット
⚫︎スキル習得:コーチや先生から教わることに加え、異なる年齢の子どもたちからも学ぶことで、観察力や自発的な学習意欲が高まります。
⚫︎新しい友達との出会い:習い事を通じて親子ともに新しい友人関係が築ける機会があります。
⚫︎時間管理の意識が芽生える:スケジュールに沿った生活が、時間管理の習慣を身につけさせます。
デメリット
✓ストレスの増加:新しい環境に慣れるまでに子どもがストレスを感じることがある。
✓経済的負担:月謝や初期費用が家計に負担を与える可能性があります。
習い事をさせない子育てのメリットとデメリット
メリット
⚫︎自由な時間で心の余裕が生まれる:子どもが自分の好きなことに打ち込める時間を持つことで、心が満たされます。
⚫︎家族の時間が豊かになる:家族で過ごす時間が増え、共に過ごすかけがえのない時間が生まれます。
デメリット
✓社会性の発達機会の減少:習い事を通じた他の子どもとの交流機会が減る可能性があります。
✓習い事をしていないというプレッシャー:周囲の子どもたちが習い事をしていると、比較されることへの不安が生まれることもあります。
まとめ: 子どもにとって最良の選択とは何か
習い事をさせるか、させないかは、各家庭や子ども自身の性格、環境に合わせた判断が必要です。習い事をさせる子育ても習い事をさせない子育ても、それぞれにメリットがあります。大切なのは、親と子どもの気持ちを尊重し、無理のない選択をすることです。
今回のポイント
⚫︎習い事をさせるもさせないも、関わり方次第で子どもの成長機会となる。
⚫︎家族で過ごせる時間は有限。かけがえのない時間を大切に。
⚫︎子どもの気持ちが何よりも大切。親子でコミュニケーションを。
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